すこし時間が経ちましたが、” 今年最終更新 ” と題したエントリーの翌日に、思い立って山崎地区の祐専寺付近の ” 落葉 ” の状況を撮影してきました。
さて、イチョウの1年の変化の様子は、だいたいこんな感じです。
- 春の芽吹き
- まずはちいさな緑葉
- 緑葉が立派になる
- 雄と雌の交配(空を舞うことで受粉する風媒花)
- 緑色の外皮の銀杏が生る
- 銀杏が徐々に緑色からオレンジ色の外皮に
- 銀杏が落ち始めると同じ時期に黄葉化へ
- 黄葉完全体
- 黄金色のイチョウの絨毯
- 落葉
- 実も葉もすべて落ち、シルバーの樹皮の立木へ
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今回、あえて ” 落葉状況 ” としたのは、次の想いからです。
以前から、祖父江町ならではの接ぎ木栽培文化の中でアーティスティックに生まれてきたイチョウの木のシルエットの美しさを強調してきました。
黄葉から落葉へと移りゆく中で、連続レポートの中で表現してきました、この 11. の落葉後 のみに出現するシルエットは、やはり他では類を見ないものと確信したのです。
イチョウの接ぎ木栽培そのものは、銀杏が生ること、間引き、収穫、屋根への影響回避などの合理的な要素から多くの先人の知恵と経験をもって練り上げられました。
(日本四大植木の産地のひとつとして、接ぎ木栽培文化そのものは当地に古くからあるものですが)
” 機能美 ” という言葉がありますが、そのシルエットはまさしくこれにあたります。
銀杏栽培という生業の中で人とイチョウがまさに寄り添いながら、何十年にも及ぶ栽培の中で培ってきた、ある種、伝統的文化から生まれた芸術といえるものです。
つまり、祖父江町ならではのイチョウの立木そのもののシルエットの美しさを文化的にお伝えしたいのです。
各地のイチョウの状況を見ていますが、やはり今年は全国的に黄葉化がゆっくりのようです。
それゆえ、こうした落葉状況をお伝えする機会が生まれたように感じています。
銀杏栽培も、高齢化や人手不足、環境変動、剪定や収穫作業の高所危険性などから、実はひとつの曲がり角にいます。
今回こうした記事を立ち上げる思いに至ったのも、実は「イチョウとの共生」から生まれたものなのでしょう。
今後不定期で更新していく予定です。
まずは先週2021年12月10日(金)の日没間際の落葉状況をご覧ください。
今回は、マップ情報などでもっとも観光に関連する「祐専寺」周辺です。
山崎地区 祐専寺とその付近

